クーラー病って診断書はどうなるの?病院でどう書かれる?
クーラー病(冷房病)もひどくなると、
会社や学校に行くのもつらくなるケースがあります。
「休むなら診断書を」求められることもあるでしょう。
しかしクーラー病や冷房病という病気自体は存在しません。
あれは冷房が原因だと思われる症状に対して、
勝手に使っている俗称に過ぎないのです。
「なら診断書はいったいどうなるのか?」
そんな疑問に答えていきます。
診断書は「出ている症状」に対して出る
結論からいうと、
診断書は「今出ている具体的な症状に対して」出ます。
例えば冷房に当たりすぎたせいで、体が非常にだるかったり、
頭痛がして、寝つきも悪くなったり…という症状が出たとしましょう。
この場合、「疲労感」「頭痛」や「寝つきが悪くなった(睡眠障害)」という部分や、
その直接的な原因となる「自律神経の乱れ(自律神経失調症)」に対して、
診断書を書いてもらえることが多いです。
具体的にどう書かれるかは病院や医師によって、
変化する場合もありますが、少なくとも「クーラー病」と書かれることはありません。
これは何故なのか?次の項目で解説します。
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何故クーラー病として診断されないのか
日本では当たり前のように使われる
「クーラー病」や「冷房病」という俗称ですが、
医学的には認められていません。
「本当に冷房が原因なのか?
症状と原因(冷房)の因果関係の証明は難しい」
というのが理由です。
例えば職場で冷房の設定が合わずに悩んでいる人に、
だるい、不眠などの症状が出たとします。
それで患者は
「冷房で寒すぎる室内と、外気との温度差が大きすぎるせい。
それで自律神経が乱れ、疲労感や不眠などの症状に悩まされている」
と訴えていたとしましょう。
でもそれに対して、
「デスクワーク自体のストレスせいではないか?
今までの我慢が、たまたまこのタイミングで溢れただけ。
もしくは最近、直属の上司が変わったせい(or業務内容に変化があったせい)では?
そういうストレスでも自律神経の乱れは起きますし。」
と、反論されたら?
患者自身は「冷房のせいに違いない」と言ったとしても、
そう思い込んでいるだけという可能性もあります。
第三者である医師には何が本当の原因なのか判断しづらいですよね。
ちょうど良い空調というのは人によって違いますから、
同じ職場で働いている他の人は平気…というケースなら、尚更判じ難いでしょう。
このような事情で医学的に認められていない「クーラー(冷房)病」を、
診断書には書けませんから、現れている症状を書くことになるのです。